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二十一世紀の歴史家が振り返ってみて、
「力と国権主義の時代であった十九世紀に較べて二十世紀は
道義と国際主義の時代だった」と、皮肉でなく言う可能性は
まずありません。
二つの大戦(二つですめばの話しですが)とイデオロギーを
異にする東西国家郡の対立、ナショナリズムが先進国だけでなく
全世界的に拡大したことを主題とする歴史観にならざる
をえないでしょう。
帝国主義時代を知るのに「憲憲録」というのは大変おもしろい
文書です。
序文にあるとおり、「総じて外交文書というのは含蓄を
主としてその真意を表に出さないから、ただ読んでも
砂を噛むようなものなので、これを絵画風に描写した」
ものなのです。
外交史を書いているわけでもないので詳しい引用を
するといとまもありませんが、日清戦争の発端も
日本による意図的なものがあったことを赤裸々に
記しています。
東学党の乱が起こって、清国が朝鮮の求めに応じて
出兵すると、日本もすぐ出兵します。
そして乱が収まってから帰ってくれといわれると、
清国が「十中八九まで同意せざるべし」という
日清合同の朝鮮内政改革案をもち出します。
朝鮮に宋主権をもっていると思っている清国が
当然これを断ると、待っていましたとばかりに
戦争にもちこみます。
その内政改革案についても、陸奥は実は
「多年の懸案(宋主権問題)」を動かすために
つくり上げたもので、自分はもともと朝鮮に
満足な改革ができるか疑わしいと思っているので
改革の内容も日本の利益を主眼とするものにとどめ
このために日本の利益を犠牲にする必要はなく、
「義侠心で十字軍を起こす」考えは毛頭ないが、
国民世論が韓国の改革という義侠の精神で
一致していることは、内政外交上すこぶる
好都合と認めた、と書いています。
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