2010年6月29日火曜日

例外的安定をうみだしたものは

近代前の日本をめぐる戦略的環境は、
世界史上稀に見る安定性を示している。

もちろん周辺のアジア情勢は幾多の
変転を重ねている。

中国の歴史は宋が滅びるまでがいわゆる
十八史、その後、元明清をへて近代に
至るまで王朝の交代をくり返し、
朝鮮半島も、唐朝以降は中国王朝交代の
影響をモロに受けて、古代の三国から
新羅、高麗、李朝と交代している。

その間、日本は、有史前にあったらしい
天孫民族の日本征服以降は外敵による
日本の征服はただの一度もなく、日本の
王朝は一度も交代していない。

この事実が戦前の史観では、万邦無比と
いうことで、日本の超国家主義の根拠の
一つとなったことはまだ記憶に新しいところだ。

近代前とは、日本にとっては二つの大きな
戦略的環境の変化の起る前を意味している。

一つは中国が極東における支配的な力を
失ったことで、もう一つはいわゆる西力東漸の結果、
それまでは戦略的に真空地帯であった太平洋と
シベリアが、欧米の軍事的な力で
埋められるようになったことだ。

そして、この近代前の環境における
例外的な日本の平和を支えたものは、
もちろん日本の地理的特性だが、それに加えて
中華帝国というものの独特な性格と
その間に介在する朝鮮半島住民の
特殊な民族性が果たした役割がある。

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