他方、バックス・シニカの一部分にならざるを得ない
地理的環境にある国としては、対外征服などとても
考えられない国際政治上の条件下にある。
高句麗が隋軍を撃滅して得た代償は
隋に入貢を許されることでしたし、
新羅が唐羅戦争を勝ち抜いた代償も
同じです。
元の大軍を追い返したベトナムの代償も
同じことでした。
勝って中国に進撃しても四百余州を制するわけには
いかず、いずれは息切れして負けるのですから、
早く和平を結んで安定した国家関係を
作ることが大事。
負ければ民族の滅亡、勝っても宋主国に対する
藩属関係というきびしい条件ですから、
外への発展などとうてい考えられません。
フィンランドの救国の英雄マンネルハイム元帥が、
ソ蓮戦争末期に
「休戦は至上命令だ。
フィンランド国軍が崩壊したら休戦はありえない」
と言ったのも同じことです。
負ければ自由なフィンランドは滅亡、英雄的な
抵抗でやっと勝ちえたものが、いわゆる
フィンランドダイゼーションのような
かたちが生まれるのですから。
というわけで、対外侵略の意図も能力もなく、
他面北からの脅威には敢然と抵抗する
意思のある国が大陸本土と日本とのあいだに
介在している-これほど日本の安全にとって
ありがたい条件はないといえましょう。
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